しりとりで「ビール」「サル」「ホタル」と返され、頭を抱えた経験はありませんか。
相手に「る」で終わる言葉をぶつけ続ける、いわゆる「る攻め」です。
この定番戦術がどれくらい強いのか、しりとりタイルの辞書で実際に数えてみました。
「る」で始まる言葉は、終わる言葉の15分の1しかない
しりとりタイルの辞書には約15万語が収録されています。
その中で「る」に関係する言葉を数えると、はっきりした偏りが出ました。
- 「る」で終わる言葉:6,465語
- 「る」で始まる言葉:418語
差はおよそ15倍。
攻める側の弾は豊富にあるのに、受ける側の返し手は極端に少ない。この非対称こそが「る攻め」の正体です。
「る」で終わる言葉が多いのは、カタカナ語の影響が大きいと考えられます。
ビール・プール・メール・テーブル・アイドルなど、外来語には「〜ル」で終わる名詞が非常に多いためです。
一方で「る」から始まる言葉は、ルビー・ルール・ルーペなど、終わる言葉に比べるとずっと少なめです。
「る」の次に効く攻め文字は「ず」
同じ計算をほかの文字にも当てはめると、「攻めやすさ」をランキングにできます。
「その文字で終わる言葉(弾の数)」を「その文字で始まる言葉(返し手の数)」で割った倍率です。
| 文字 | 終わる言葉 | 始まる言葉 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| る | 6,465語 | 418語 | 15.5倍 |
| う | 21,802語 | 3,025語 | 7.2倍 |
| ず | 1,362語 | 245語 | 5.6倍 |
| ぷ | 954語 | 856語 | 1.1倍 |
| ざ | 522語 | 598語 | 0.9倍 |
| ぬ | 169語 | 358語 | 0.5倍 |
| ぽ | 124語 | 513語 | 0.2倍 |
| ぞ | 56語 | 415語 | 0.1倍 |
倍率だけを見ると、2位は「う」です。
学校・空港・料理長のように、「〜こう」「〜とう」「〜ちょう」「〜じゅう」など、伸ばして読む漢字の言葉は「う」で終わるものが多く、「う」で終わる言葉の8割以上がこの形でした。
ただし「う」で始まる言葉も3,000語以上あるので、返し手に困ることはまずありません。
攻めとして効くには、倍率が高いだけでなく、返し手そのものが少ないことが必要です。
この2つがそろうのが「ず」で、濁点を区別するルールでは「ず攻め」が隠れた二番手です。
グッズ・ミミズ・大豆など「ず」で終わる言葉は1,362語ある一方、「ず」で始まる言葉はわずか245語。
これはしりとりで使う文字の中でいちばん少ない数で(ぢ・づなどの特殊な文字を除く)、頭痛・頭脳など、とっさに出てくる言葉はかなり限られます。
ただし、しりとりタイルのように濁点を区別しないルールでは、「ず」で終わっても「す」から返せるので、ず攻めは効きません(しりとりの濁点ルール)。
「ぷ攻め」は思ったほど強くない
意外だったのは「ぷ」です。
「ぷ」は返しにくい、という印象がありますが、辞書で数えると「ぷ」で始まる言葉は856語もありました。
プール・プレゼント・プラモデル・プリンターなど、カタカナ語の「プ」が層の厚い返し手になっているためです。
口頭のしりとりで「ぷ」に詰まるのは、言葉が存在しないからというより、とっさに思い出せないから。
つまり「ぷ」は、「ぷ」から始まる言葉を覚えておけば怖くない文字です。
逆に「ぞ」「ぺ」「ぽ」は、そもそもその文字で終わる言葉が少なく、狙って攻めることができません。
「ぞ」で終わる言葉は辞書全体でも56語しかありませんでした。
る攻めへの備え方
結論はシンプルです。
る攻めは、データで見ても、ほかの文字よりとび抜けて強い戦術です。そして最大の対策は、「る」で始まる言葉の持ち札を増やしておくことです。
※語数はしりとりタイル辞書(約15.3万語・2026年10月時点)の実測値です。言葉の末尾の伸ばし棒は除き、小さい文字は大きい文字として集計しています。濁点・半濁点は区別して数えています。